先日は個人事業として整骨院を開業する場合のメリットデメリットについて説明しました。
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また会社形態で整骨院を開業する場合でも、個人事業とは異なるメリット・デメリットが存在します。
将来を見据えた上で、ご自身に最適な選択をするために、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解しておきましょう。
本記事では会社として整骨院を開業する際のメリットデメリットに関して解説します。
会社で整骨院を開業するメリット・デメリット
1. メリット
会社形態で整骨院を開業する主なメリットは以下の通りです。
1.1 社会的信用度が高い
株式会社などの法人格を持つことで、個人事業に比べて社会的信用度が高まります。
これは、金融機関からの融資を受けやすくなるだけでなく、取引先や患者からの信頼感向上にも繋がります。
特に、大規模な設備投資が必要な場合や、複数の医療機関との連携を図る際には、会社形態が有利に働くでしょう。
1.2 有限責任でリスクを限定できる
会社形態では、出資額の範囲内で責任が限定される有限責任制度が適用されます。
万が一、事業が失敗した場合でも、個人事業のように私財がすべて失われるリスクを回避できます。
これは、家族を持つ経営者にとっては大きな安心材料となるでしょう。
1.3 資金調達がしやすい
会社形態は、金融機関からの融資を受けやすいだけでなく、株式発行による資金調達も可能です。
事業拡大や設備投資に必要な資金をスムーズに調達できるため、成長戦略を柔軟に描けます。
また、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資を受ける可能性も広がります。
1.4 節税効果が期待できる場合も
会社形態では、適切な会計処理を行うことで、個人事業よりも節税効果が期待できる場合があります。
例えば、役員報酬を適切に設定することで所得税の負担を軽減したり、福利厚生制度を導入することで法人税の負担を軽減したりすることが可能です。
ただし、節税対策は専門家への相談が必須です。 国税庁のウェブサイトなどで情報を確認することも重要です。
2. デメリット
会社形態での開業には、メリットだけでなく、以下のようなデメリットも存在します。
2.1 設立手続きが複雑で費用もかかる
会社設立には、定款の作成や登記など、複雑な手続きが必要となります。また、登録免許税や司法書士への報酬など、設立費用も個人事業に比べて高額になります。
これらの手続きや費用は、専門家に依頼することでスムーズに進めることができますが、それでも一定の時間と費用は必要です。
2.2 税務申告が複雑
会社形態では、法人税や消費税など、個人事業よりも複雑な税務申告が必要となります。
税務申告を適切に行うためには、専門家である税理士に依頼することが一般的です。
税理士への顧問料などもランニングコストとして考慮する必要があります。
2.3 ランニングコストがかかる
会社形態では、社会保険料や決算書の作成費用など、個人事業にはないランニングコストが発生します。
また、株式会社の場合、株主総会を開催する費用なども必要です。
これらのランニングコストは、事業規模に関わらず一定額発生するため、事業計画にしっかりと組み込んでおく必要があります。
項目 | 個人事業 | 会社 |
---|---|---|
社会的信用度 | 低い | 高い |
責任 | 無限責任 | 有限責任 |
資金調達 | 難しい | 容易 |
手続き | 簡単 | 複雑 |
費用 | 低い | 高い |
税金 | 所得税、住民税、事業税 | 法人税、住民税、事業税 |
ランニングコスト | 低い | 高い |
会社で開業するメリット・デメリット | まとめ
今回は会社として整骨院を開業するメリットとデメリットについて説明しました。
個人事業との大きな違いはやはり費用だと思われます。企業として活動するわけですから、信用度も増し資金も銀行などから調達しやすくなりますが、その分税金処理やランニングコストにも余計にお金がかかってきます。
また会社であることにより採用活動も個人事業よりは比較的有利であったりメリットも多いですが、やはり資金力がなければ会社として運営していくのは難しいでしょう。