前回はトリガーポイントのメカニズムについて解説しました。
合わせて読む → トリガーポイントってなに?
慢性的な痛みやコリを引き起こす可能性もあるトリガーポイントですが、一体何が原因で出来てしまうのでしょうか?
そして、効果的な予防策はあるのでしょうか?
本記事では、トリガーポイントの原因と予防について解説します。
トリガーポイントの原因と予防策
1. 日常生活での原因:姿勢、運動不足、ストレス
日常生活の中には、トリガーポイントを作り出す原因が潜んでいます。
長時間のパソコン作業やスマホの使いすぎによる猫背などの不良姿勢は、特定の筋肉に負担をかけ続け、トリガーポイントの発生につながります。
また、運動不足は筋肉の柔軟性を低下させ、血行不良を招き、トリガーポイントを誘発しやすくなります。
さらに、精神的なストレスも筋肉の緊張を高め、トリガーポイントの原因となることがあります。ストレスを感じると肩や首がこるのは、まさにこのためです。
1.1 姿勢による影響
デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、前かがみの姿勢を長時間続けると、首や肩、背中の筋肉に負担がかかり、トリガーポイントが発生しやすくなります。
また、足を組む、片方に体重をかけるといった癖も、骨盤の歪みや身体のバランスを崩し、トリガーポイントの原因となることがあります。
1.2 運動不足の影響
運動不足は筋肉の柔軟性を低下させ、血行不良を招きます。すると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されなくなり、老廃物が蓄積しやすくなります。
この状態が続くと、筋肉が硬くなり、トリガーポイントが発生しやすくなります。適度な運動は、血行を促進し、筋肉の柔軟性を維持するために重要です。
1.3 ストレスの影響
ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高めます。緊張状態が続くと、筋肉が硬くなり、トリガーポイントが発生しやすくなります。
また、ストレスは睡眠の質にも影響を与え、筋肉の回復を妨げる可能性があります。
リラックスする時間を作る、趣味を楽しむなど、ストレスを軽減するための工夫が大切です。
2. 身体の不調:内臓疾患、ケガの影響
身体の不調もトリガーポイントの原因となります。内臓疾患が原因でトリガーポイントが発生するケースも少なくありません。
例えば、肝臓や胆嚢の疾患が右肩の痛みを引き起こすことがあります。また、過去のケガが原因で、特定の部位にトリガーポイントが形成されることもあります。
古傷が痛む、という経験がある方もいるのではないでしょうか。これは、ケガによって損傷した組織が修復される際に、筋膜や筋肉に癒着が生じ、トリガーポイントが形成されるためと考えられています。
2.1 内臓疾患によるトリガーポイント
内臓 | 関連痛の出現部位 |
---|---|
肝臓・胆嚢 | 右肩、右肩甲骨周囲 |
心臓 | 左肩、左腕、胸 |
胃 | みぞおち、背中 |
膵臓 | 左肩甲骨下部、腰 |
2.2 ケガによるトリガーポイント
骨折、捻挫、打撲、肉離れなどのケガは、筋膜や筋肉に損傷を与え、トリガーポイントを形成する原因となります。
ケガをした部分だけでなく、周辺の筋肉にも影響を与える場合があり、広範囲にわたってトリガーポイントが発生することもあります。
また、ケガが治った後も、トリガーポイントが残ってしまうケースも少なくありません。適切なリハビリテーションや治療を行うことで、トリガーポイントの発生や慢性化を防ぐことが重要です。
3. 予防のためのセルフケア:ストレッチ、姿勢改善
トリガーポイントの予防には、日々のセルフケアが重要です。こまめなストレッチで筋肉の柔軟性を保ち、血行を促進することで、トリガーポイントの発生を抑制できます。
また、正しい姿勢を意識することも大切です。デスクワーク中は定期的に休憩を取り、軽い運動やストレッチを行いましょう。
湯船に浸かる、十分な睡眠をとるといったことも、筋肉の疲労回復を促し、トリガーポイントの予防に繋がります。
3.1 ストレッチの重要性
ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進する効果があります。トリガーポイントが発生しやすい部位を中心に、首、肩、背中、腰、脚などを重点的にストレッチしましょう。
1つの部位につき20~30秒程度、ゆっくりと呼吸をしながら行うのが効果的です。朝起きた時、お風呂上がり、寝る前など、毎日続けることが大切です。
3.2 姿勢改善のポイント
正しい姿勢を維持することで、筋肉への負担を軽減し、トリガーポイントの発生を予防できます。
立っている時は、耳、肩、腰、くるぶしが一直線になるように意識しましょう。座っている時は、背筋を伸ばし、骨盤を立てた状態を保つことが重要です。
また、長時間同じ姿勢を続けないように、こまめに休憩を取り、姿勢を変えるように心がけましょう。
トリガーポイントの原因と予防策 | まとめ
トリガーポイントの発生には、日常生活での姿勢の悪さ、運動不足、ストレスなどが関係しています。
また、内臓疾患や過去のケガが影響することもあります。
予防策としては、ストレッチや姿勢改善などのセルフケアが有効ですので、是非普段の生活から意識して行動しましょう。