一人で整骨院を開業するということは、すべての責任を自身で負うことになります。
先日は1人で整骨院を開業するメリットについて解説しました。
合わせて読む 一人で整骨院を開業するメリットとは
ただメリットの裏側には、様々な困難も存在します。
開業前にデメリットをしっかりと理解し、対策を練ることが、成功への鍵となります。
一人で整骨院を開業するデメリット
1. 相談相手がいない
一人で開業する場合、経営判断や臨床判断で迷った際に相談できる相手が身近にいないというデメリットがあります。
従業員がいる場合は、経験豊富なスタッフに相談したり、意見交換をすることで、より良い決断を下せる可能性が高まります。
しかし、一人で運営していると、すべての判断を自分一人で下さなければならず、孤独感や不安を感じやすいでしょう。
また、多角的な視点が得られないため、思わぬミスやトラブルにつながる可能性も懸念されます。
対策として、開業前に信頼できる先輩や同業者とのネットワークを構築しておくこと、経営コンサルタントや税理士などの専門家と契約しておくことが有効です。
また、全国柔道整復師連合会などの業界団体に所属することで、情報交換や相談の機会を得ることもできます。
2. 休暇取得の難しさ
一人で整骨院を運営する場合、自分が休むと院が休診になるため、休暇を取得するのが難しいという大きなデメリットがあります。
従業員がいれば、交代で休暇を取ったり、急な病気や怪我の際にも対応できますが、一人で開業した場合は、長期休暇の取得は非常に困難です。
また、短い休暇であっても、予約の調整や患者さんへの対応が必要となり、心身ともに休まりにくい状況になりがちです。
休暇が取れないことで、疲労が蓄積し、集中力の低下やモチベーションの低下につながる可能性も懸念されます。
この問題に対処するためには、事前に休診日を明確に設定し、患者さんに周知徹底することが重要です。
また、他の整骨院と連携し、緊急時の代診体制を構築しておくことも検討しましょう。
さらに、オンライン予約システムを導入することで、休暇中の予約管理をスムーズに行うことも可能です。
3. 客観的視点の不足
一人で経営していると、自分の仕事ぶりや院の運営方法について客観的に評価することが難しくなります。
従業員からの意見や患者さんからのフィードバックは、サービス改善や経営戦略において貴重な情報源となりますが、一人で開業していると、こうした客観的な視点が得られにくく、改善点に気づきにくいというデメリットがあります。
自己満足に陥り、患者さんのニーズとずれたサービスを提供してしまう可能性も考えられます。
対策として、定期的に患者さんにアンケートを実施したり、顧客満足度調査を行うことで、客観的な意見を収集することが重要です。
また、ミステリーショッパーを雇い、患者としての視点から評価してもらうのも有効です。
さらに、経営コンサルタントに依頼し、定期的に経営診断を受けることで、客観的な視点からのアドバイスを得ることができます。
4. 業務量の限界
一人で整骨院を運営する場合、受付、施術、会計、清掃、 マーケティングなど、すべての業務を一人でこなさなければならないため、業務量に限界が生じます。
患者数が増加した場合、一人では対応しきれなくなり、予約が取りづらくなったり、待ち時間が長くなったりすることで、患者さんの満足度が低下する可能性があります。
また、オーバーワークは、自身の健康を害することにもつながりかねません。
業務量の限界を克服するためには、業務効率化を図ることが重要です。
例えば、予約システムや電子カルテシステムを導入することで、事務作業の時間を短縮できます。
また、施術内容を標準化したり、一部の業務を外部に委託することも有効です。
売上向上を目指すなら、施術以外の業務に時間を割けるよう、人員を雇用することも検討すべきです。
これらのデメリットを踏まえ、開業前に綿密な事業計画を立て、適切な対策を講じることが、一人で整骨院を開業し成功させるために不可欠です。
一人で整骨院を開業するデメリット | まとめ
今回は1人で整骨院を開業する時のデメリットについて解説しました。
やはり大きなデメリットとしては、すべてを1人でやるしかないという点です。体調を崩しても代わりに働いてくれる人もいなければ、スタッフもいないので相談することも難しいです。
また一人だと業務量も限られるので、必然的に受け入れる患者数も限定されます。
ただ最近ですと、電子カルテやオンライン予約システムなど業務の効率化を図る方法もあり、負担を軽減することもできますので1人で開業するのであればそういったツールと上手に付き合う必要がありそうですね。