障害福祉支援業界で働いている方やこれからサービス管理責任者を目指そうとしている方は、サービス管理責任者の人員不足についてご存知でしょうか?
「サービス管理責任者が足りない」 といった問題を抱える施設が多い現状ですが、なぜ年収が年々アップしているやりがいのある業種にも関わらず、人員不足に陥っているのかを解説します。
サービス管理責任者になるための資格取得の難しさ
サービス管理責任者になるためには、これまでの記事でも解説してきました「実務経験」と「研修の受講」が必要となります。
実務経験に関しては、介護・福祉・医療系の国家資格保有の有無、無資格などによって大幅に異なります。
例えば介護福祉士資格を保有しており、規定の業務に従事していると3年以上の実務経験があれば、サービス管理責任者の資格要件を満たすことになります。
一方、無資格で介護職や看護助手などで直接支援業務に従事していたとすると、8年以上の実務経験が求められます。
短大、専門学校、4年制大学を卒業して、仮に新卒で入社して経験を積んだとしても、そのころには30歳前後になっているという計算になります。
これは正直長いし、非常にハードルが高いと思う方も多いようです。
なぜなら8年もあれば、身の回りの状況も変わりますし、結婚であったり、目指すものが変わったりで結局サービス管理責任者になることを諦めてしまうこともあるでしょう。
このように、厚生労働省の定めた施設で規定の実務経験がなければサービス管理責任者研修を受講することができません。
通常の介護や福祉、医療系の資格であれば、専門学校もしくは大学に通い資格を取得するまで約2年~4年の期間を要します。
どの他の国家資格と比べても資格取得までの時間的なハードルが高いことが原因の一つであると考えられます。
長期にわたる研修
次に「研修の受講」です。仮に上記の資格要件を満たしていても、この段階的に受講しなければならない研修も大きなハードルとなっています。
基礎研修の修了後2年以上の実務を経験したのち実践研修を受講しなければなりません。
この実践研修を修了して初めてサービス管理責任者として働くことが可能となります。
厳しい配置基準を設けられているにも関わらず、障害福祉サービス施設で必須となるサービス管理責任者になるまでの道のりが長いために、不足しているのが近年の現状です。
しかし、資格取得までが難しいサービス管理責任者ですが、その分魅力のある仕事でもあります。
その理由を次回の記事で解説したいと思います。