障害福祉事業所における障害者虐待は、厚生労働省の発表している障害者虐待事例への対応状況等の調査結果によると、平成24年に障害者虐待防止法が施行されて以降も年々増加傾向にあります。
障害者が自立及び社会参加するにあたって、障害者に対する虐待を防止することは極めて重要であり、障害者の権利利益を資する目的で施行されましたが、それでも障害者福祉施設従事者による障害者虐待件数が増加傾向にあるのはなぜでしょうか?
本記事ではなぜ障害者虐待が発生するのかについて解説します。
サービス管理責任者は目を向けるべき虐待の発生要因
・支援者側の知識、技術等に関する問題
支援者側がそれぞれの利用者様の抱える障害に対しての特性を理解できていないケースや、専門的な支援技術を身に着けていない影響で、適切な支援方法がわからず利用者様との口論や暴力といった虐待が起こってしまいます。
・職員の心理的問題
障害がある方への支援はすべてが上手くいくわけではありません。
コミュニケーションが円滑に取れない方もいれば、場合によっては暴言を吐かれたりなど、障害のある方の言動に腹を立ててしまうこともあるでしょう。それに対して威圧的な態度や暴力でコントロールしようとすることが虐待に繋がってしまいます。
・倫理観の問題
障害の抱えた方を障害者としてのみ捉え、一人の人として考えるという考えが欠如してしまっている方は少なくないのではないでしょうか。障害を抱えた方は日常生活のあらゆる場面で支援が必要になりますが、それぞれ個性があり意思を持たれています。自分とは違うという考えではなく、社会の一員として尊重することが重要です。
・チームで虐待を防止するという意識の低さ
障害福祉業界において、利用者様の支援を一人で行うことは不可能です。
支援をする上で起きる虐待に対しても、チームで虐待に対しての認識の共有ができていると、スタッフ同士での声掛けや話し合いで虐待の芽を摘むことができる場合もありますよね。
では実際にサービス管理責任者が障害福祉事業所での虐待を防止するにあたり取るべき行動とはどのようなものがあるでしょうか?
次回の記事で詳しく解説します。