介護福祉士として働いていて利用者様の転倒リスクを予防することはとても難しいと感じますよね?
そのためベッドの高さを一番低く設定したり、手すりの位置を検討したり滑り止めマットを設置したりタッチセンサーを設置したりと様々な工夫がなされると思います。
特にベッドの高さはベッドから転落した場合のリスクを極力減らすという目的から、様々な施設で導入されています。福祉用具業者としてもこうしたところから、超低床ベッドというものの開発もされており、一番下まで下げるとベッドの高さが床から15㎝程度まで下がるという商品も開発されるくらいです。
こうした転倒リスクを予防するために必要なことについて今日は解説してみたいと思います。
利用者様の転倒リスクを予防するためには能力面をきちんと把握することから始めよう
利用者様の転倒リスクで一番考えるべきことと言えば、どのレベルであれば安全に利用者様が動作を行えるのかということを理解することが重要になります。
私の利用者様を例に挙げるとするのであれば、ベッドサイドに座ってベッドから車いすに移乗するうえで、リハビリの中では見守りで立ち上がれるのに、介護現場ではほとんど全介助で移乗しているという状況があります。
その理由としてはその利用者様がどの程度環境調整をしていれば、安全に移乗できるかどうかを周知していないということが原因でした。
実際ベッドの高さを50㎝まで上げることができれば、ベッドから車いすへの移乗は見守りで可能なのです。しかし介護現場ではそこまでベッドを上げることが少ないことや、介助者の伸長が低いことから、そこまでの環境調整をする前に、全介助で移乗してしまった方が早く対応できるという問題が潜在化しているのです。
こうした環境を整えて自分で乗り移りを促すということは、その運動自体がリハビリテーションに繋がります。
するとたとえば一人で移乗してしまうという利用者様がいた場合、常日頃の繰り返した動作練習というものは習慣化されますから、もし仮に一人で行ったとしても転倒リスクが軽減されるということに繋がる可能性もあります。
もちろん、一人で移れる=介助者のいないときに移ってしまうというリスクが並列しているのも理解していますが、日ごろの介護現場がリハビリテーションになるということを今日の記事では伝えたいと思います。
こうした介護現場で利用者様の能力をきちんと把握してトレーニングができるようになると、利用者様の廃用予防にもつながりますので、ぜひ覚えておいてほしいなと思います。