最近、整骨院の広告などでよく「トリガーポイント」という言葉を目にしませんか?
何となくカッコいい言葉だなとか思うことがあるかもしれませんが、実際何なのかをご存じですか?
慢性的な肩こり、腰痛、頭痛…その原因はトリガーポイントにあるかもしれないとも言われているんです。
本記事では、トリガーポイントが何なのか、またそのメカニズムについて解説します。
トリガーポイント:痛みの正体を探る
トリガーポイント(Trigger Point)とは、筋肉の中にできる「しこり」や「硬結(こうけつ)」のことを指します。
このポイントは、押すと痛みを感じるだけでなく、離れた場所にも痛み(関連痛)を引き起こす特徴があると言われています。
「頭痛を訴えて病院に行っても異常なしと言われた」「慢性的な肩こりに悩まされているが、どこに行っても治らない」…そんな悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。
もしかしたら、その痛みやこりはトリガーポイントから来ているかもしれません。
1.1 トリガーポイントのメカニズム
トリガーポイントは、筋肉または筋膜に形成される過敏な点で、押すと痛みを感じ、しばしば関連痛と呼ばれる離れた場所に痛みを引き起こします。
これは、トリガーポイントが形成された筋肉が収縮し、血流が制限されることで、老廃物が蓄積し、神経を刺激するためと考えられています。また、トリガーポイントは、中枢神経系の感作にも関与していると考えられており、痛みが慢性化する要因となります。
具体的には、トリガーポイントからの入力は脊髄レベルで神経系の興奮性を高め、痛みをより強く、より広範囲に感じさせる可能性があります。
1.2 トリガーポイントの種類と症状
トリガーポイントは、活動性トリガーポイントと潜在性トリガーポイントの2種類に分けられます。
活動性トリガーポイントは、常に痛みを感じ、関連痛も引き起こします。
一方、潜在性トリガーポイントは、押すと痛みを感じますが、普段は自覚症状がありません。しかし、放置すると活動性トリガーポイントに移行する可能性があります。
トリガーポイントの症状は、痛み、こり、しびれ、運動制限、自律神経症状など多岐にわたります。
症状の現れ方は、トリガーポイントの位置や種類、個人の状態によって異なります。
種類 | 特徴 | 症状 |
---|---|---|
活動性トリガーポイント | 常に痛み、関連痛あり | 鋭い痛み、持続的な痛み、運動制限 |
潜在性トリガーポイント | 押すと痛み、普段は無症状 | 鈍い痛み、こり、疲労感 |
1.3 よくある誤解:トリガーポイントとツボの違い
トリガーポイントとツボは、どちらも身体の特定の部位に存在し、刺激することで様々な効果が得られる点で共通しています。
しかし、トリガーポイントは筋肉や筋膜に存在するのに対し、ツボは経絡と呼ばれるエネルギーの通り道上に存在するとされています。
また、トリガーポイントは痛みやこりの原因となる一方、ツボは東洋医学に基づいた治療点であり、刺激することで身体の機能を調整すると考えられています。
両者は位置が重なる場合もあるものの、その成り立ちや考え方は全く異なるものです。
トリガーポイントとは | まとめ
今回はトリガーポイントについて解説しました。
慢性的な痛みやコリにお悩みの方は、トリガーポイントが原因となっている可能性があります。
トリガーポイントは筋肉の硬結であり、放置すると広範囲に痛みやしびれを引き起こすことがあります。
次回はトリガーポイントの原因と予防策について話してみたいと思います。