交通事故後に現れる「むちうち症」とは?

長期連休後には整骨院にも交通事故が原因で来院する患者様がいます。

交通事故に遭った直後は、自覚症状がなく「大丈夫」と思っていても、時間が経つにつれて首の痛みや頭痛、めまいなどの不調が現れることがあります。

その代表的な症状が「むちうち症」です。むちうちは、首に強い衝撃が加わることで、筋肉や靭帯、神経にダメージが生じることで発症します。

しかし、レントゲンやCTでは異常が見つからないことも多く、見落とされやすいのが特徴です。

本記事では、むちうち症の症状やメカニズム、放置によるリスク、後遺症の種類などを詳しく解説します。交通事故後に少しでも異変を感じたら、早めの受診が大切です。

交通事故後のむちうち症とは?

交通事故による衝撃は、頭部が急激に揺さぶられることで、首の骨格や周囲の筋肉、靭帯、神経などに損傷を与えます。

この損傷によって引き起こされる症状が「むちうち症」です。むちうち症は、レントゲンなどの画像検査では異常が見られない場合も多く、診断が難しいケースもあります。そのため、交通事故後は、たとえ軽微な事故であっても、医療機関を受診することが重要です。

1. むちうちの症状とメカニズム

むちうちの症状は、事故直後には現れず、数時間後や数日後に発症することもあります。

主な症状は以下の通りです。

症状 説明
頸部の痛み 首の痛みは、むちうちの最も一般的な症状です。痛みは、首の後ろ、側面、または前面に発生する可能性があり、動かすことで悪化することがあります。
頭痛 後頭部を中心とした頭痛は、むちうちの一般的な症状です。
めまい めまいやふらつきは、平衡感覚の乱れによって引き起こされます。
吐き気 吐き気や嘔吐は、自律神経の乱れによって引き起こされることがあります。
しびれ 腕や手のしびれは、神経の損傷によって引き起こされることがあります。
運動制限 首の動きが制限されることがあります。

これらの症状は、交通事故の衝撃によって頭部が鞭のようにしなることで、首の組織に過度の負担がかかり、炎症や損傷を引き起こすことが原因です。筋肉や靭帯の損傷、頸椎の捻挫、神経の圧迫などが起こり、様々な症状が現れます。

2. むちうちを放置するリスク

むちうちを放置すると、痛みが慢性化したり、後遺症が残るリスクがあります。初期段階で適切な治療を受けないと、症状が改善しにくくなり、日常生活に支障をきたす可能性があります。また、放置することで自律神経症状や精神的な影響が現れることもあります。早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

むちうち症の後遺症

交通事故によるむちうち症は、適切な治療を行わないと後遺症が残ってしまう可能性があります。後遺症は、痛みだけでなく、日常生活にも様々な影響を及ぼすことがあります。初期症状が軽度であっても、放置することで慢性化し、長期間にわたって苦しむ可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

1. 慢性化する痛み

むちうち症の後遺症として最も多いのが、慢性的な痛みです。事故直後は軽い痛みでも、時間の経過とともに首や肩、背中、腰などに広がり、慢性的な痛みに悩まされることがあります。痛みは、天候や気温の変化、精神的なストレスなどによって悪化することもあります。

2. 自律神経症状

むちうち症は、自律神経にも影響を及ぼすことがあります。自律神経の乱れによって、めまい、吐き気、頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感などの症状が現れることがあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きくなります。

3. 精神的な影響

むちうち症による慢性的な痛みや自律神経症状は、精神的な影響を与えることもあります。不安感、抑うつ、イライラ感などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。また、交通事故によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性もあります。

後遺症の種類 症状
頸椎捻挫後遺症 首の痛み、こり、可動域制限
バレ・リュー症候群 めまい、吐き気、頭痛、耳鳴り、視力障害など
外傷性頸部症候群 首の痛み、肩こり、腕のしびれ、頭痛など
線維筋痛症 全身の痛み、こり、疲労感、睡眠障害など

むちうち症の後遺症は多岐にわたり、人によって症状も異なります。後遺症を残さないためには、早期の診断と適切な治療が重要です。交通事故後は、たとえ軽い症状でも医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

交通事故後に現れる「むちうち症」とは | まとめ

むちうち症は、交通事故の衝撃によって首や自律神経にダメージを受けることで発症する疾患で、放置すると慢性化した痛みや自律神経の乱れ、さらには精神的な不調を引き起こすリスクがあります。

事故直後は症状が軽くても、数日後に悪化するケースも少なくありません。後遺症を残さないためにも、自己判断で放置せず、必ず医療機関を受診し、専門的な検査と治療を受けるようにしましょう。早期対応が、早期回復と安心につながります。

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