股関節と腰の関係

慢性的な腰痛に悩まされている人は多くいます。湿布やマッサージ、ストレッチなどで一時的に楽になることはあっても、時間が経てばまた痛みがぶり返す、そんな経験はありませんか?

実はその腰痛、腰そのものではなく「股関節の硬さ」が原因かもしれません。痛む場所にばかり注目していては、根本的な改善にたどり着けないこともあるんです。

今回は、股関節の硬さと腰痛の関係性について詳しく解説し、対策のヒントをご紹介します。

股関節と腰の関係とは?

股関節は、体幹と下半身をつなぐ大きな関節で、脚を前後・左右に動かす、回旋させるといった多彩な動きを担っています。

日常の立つ・座る・歩くといった動作すべてに関与しており、「動作の起点」ともいえる重要な部位です。

一方、腰(腰椎)は股関節と連動して動く構造になっているため、股関節の動きが制限されると、その分を腰が代償しようとします。この「代償動作」が慢性的な負担となり、筋肉の緊張や関節の歪みを引き起こし、腰痛につながるのです。

特にデスクワーク中心の生活や、座りっぱなしの時間が長い方は、股関節が硬くなりやすく、骨盤も後傾しがちです。これが腰の反りや猫背を生み、結果的に腰椎周辺の筋肉に過剰なストレスがかかってしまいます。

腰痛が股関節由来かもしれないサイン

以下のような状態が見られる場合、腰痛の本当の原因が股関節にある可能性が高いです。

・長時間立っていたり座っていたりすると腰がだるくなる
・前かがみや反らす動きで腰に痛みが出る
・開脚が苦手、股関節の開きが左右で違う
・階段の上り下りで違和感がある
・足を組むクセがある、もしくは片足重心で立つクセがある

これらは、股関節の可動域が狭くなっていることで、身体全体のバランスが崩れ、腰に負担がかかっている典型例です。

股関節の柔軟性が腰痛を予防・改善する

股関節が柔らかくなることで、身体の動きに「余裕」が生まれ、腰にかかる負担が軽減されます。関節のスムーズな動きは、筋肉の無理な緊張を防ぎ、血行を促進し、炎症や痛みの原因を和らげる効果もあります。

では、どのように股関節の柔軟性を高めれば良いのでしょうか。以下に、自宅でも実践できる簡単なストレッチを紹介します。

自宅でできる!簡単な股関節ストレッチ

1. あぐらストレッチ(バタフライストレッチ)
床に座って両足の裏を合わせ、膝を外に倒します。背筋を伸ばし、両手で足先をつかんだまま、ゆっくりと上半身を前に倒していきましょう。股関節の内側がじんわり伸びる感覚があればOKです。

2. 片膝立ち股関節伸ばし
片膝を床につけ、もう一方の脚を前に出して90度に曲げた姿勢をとります。腰を前方にゆっくり押し出すようにして、後ろ脚側の股関節の付け根を伸ばします。猫背にならないよう注意しましょう。

3. 寝ながらできる膝倒し
仰向けに寝て膝を立て、左右交互に倒して股関節周囲の動きをほぐします。反動をつけず、リズムよく呼吸を意識して行いましょう。

いずれのストレッチも、1回30秒〜60秒を目安に、無理なく行うことがポイントです。継続することで徐々に柔軟性が向上し、腰の不調が軽減されることが期待できます。

整骨院でのアプローチも有効

ご自宅でのケアに加え、整骨院などでの専門的な施術を受けることで、より効率的に改善を図ることができます。股関節周辺の筋肉や関節の状態を確認し、姿勢や歩き方の癖も含めて総合的にアプローチすることが可能です。とくに、長年の腰痛に悩まされている方や、セルフストレッチだけでは効果を実感できない方には、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

整骨院では、手技療法や電気療法、骨盤矯正、運動指導などを通じて、痛みの根本にアプローチし、再発しにくい身体づくりを目指します。

初めての方でも安心して相談できる体制が整っているので、腰痛が慢性化する前にぜひ足を運んでみてください。

股関節と腰の関係まとめ

腰痛の原因は腰そのものだけでなく、股関節の硬さに起因している場合があります。股関節の可動域が制限されると、その分の負担が腰にかかり、慢性的な痛みへとつながります。

日常の姿勢や動作を見直すと同時に、ストレッチや整骨院での専門的なケアを取り入れることで、長年の腰痛が大きく改善する可能性があります。

腰ばかりに注目するのではなく、「身体全体のバランス」に目を向けることが、根本的な解決への第一歩となるのです。

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