整骨院で施術を受ける際、「健康保険が使えるのかどうか」が気になる方も多いのではないでしょうか?
実は、整骨院で健康保険が適用されるのは、骨折や脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)などの“急性のケガ”に限られています。
一方で、肩こりや慢性的な腰痛など、日常的な疲労や体調不良による痛みは健康保険の対象外です。
この記事では、健康保険が使える症状と、使えないケースの違いについてわかりやすく解説します。
整骨院で健康保険が使えるのはどんな症状?
整骨院で健康保険が適用されるのは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉離れを含む)といった急性または亜急性の外傷性のケガです。つまり、日常生活やスポーツなどによって発生した急なケガが対象となります。
原因がはっきりしない慢性的な肩こりや腰痛、神経痛、関節痛、しびれなどは健康保険の適用外です。これらの症状に対しては、自費診療での施術となります。
また、同じケガでも、原因によっては健康保険が適用されない場合があります。例えば、下記のようなケースです。
適用 | 原因 |
---|---|
適用 | スポーツ中の転倒による捻挫 |
適用外 | 長期間の姿勢の悪さによる肩こり |
適用外 | 原因不明の腰痛 |
適用外 | 仕事上の慢性的な疲労による肩や腰の痛み(労災保険の対象となる場合あり) |
適用外 | 病気による痛みやしびれ(例:変形性膝関節症、リウマチ、ヘルニアなど) |
1. 健康保険適用になるケガの種類
健康保険が適用されるケガの種類について、さらに詳しく説明します。
1.1. 急性のケガとは?
急性のケガとは、突発的な外力によって引き起こされたケガのことです。例えば、転倒、衝突、激しい運動などが原因で起こる捻挫、打撲、挫傷、骨折、脱臼などが該当します。ケガをした直後から強い痛みや腫れが生じることが特徴です。
1.2 慢性的な痛みとは?
慢性的な痛みとは、長期間にわたって続く痛みのことです。原因が特定しにくく、明確な外傷がない場合が多いです。肩こり、腰痛、神経痛、関節痛などが代表的な例です。これらの症状は、姿勢の悪さ、運動不足、ストレス、加齢など、様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。慢性的な痛みは、健康保険の適用外となりますので、注意が必要です。
2. 健康保険適用にならないケース
以下は、ケガであっても健康保険が適用されないケースの例です。
- 同じケガを何度も繰り返している場合:一度治癒したケガが再発した場合、最初のうちは健康保険が適用される場合もありますが、何度も繰り返すと適用外となることがあります。
- 症状が改善しない、または悪化しているにもかかわらず、長期間にわたって同じ施術を受けている場合:施術の効果が見られない場合は、医師の診察を受けるなど、適切な対応が必要です。
- 医師の同意がないまま、自己判断で整骨院に通院している場合:他の医療機関で治療を受けている場合は、医師の同意を得てから整骨院に通院する必要があります。
健康保険の適用については、それぞれの整骨院によって判断が異なる場合もありますので、不明な点は事前に整骨院に確認することをおすすめします。
各症状における整骨院での健康保険適用基準
整骨院で健康保険が適用される症状は、負傷原因が明確な急性の外傷性疾患に限られます。慢性的な肩こりや腰痛、病気、疲労などは健康保険の適用外です。
また、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れを含む)であっても、原因が不明であったり、慢性的なものである場合は健康保険は適用されません。
症状によっては医師の同意が必要なケースもありますので、施術を受ける前に整骨院に確認しましょう。
1. 捻挫
関節をひねったり、伸ばしたりすることで靭帯や関節包が損傷した状態です。急性の捻挫であれば健康保険が適用されます。
1.1 足首の捻挫
スポーツや歩行中の転倒などで起こりやすい足首の捻挫は、受傷直後であれば健康保険適用で治療を受けることができます。
痛みが強い場合や腫れがひかない場合は、医師の診断が必要となることもあります。
1.2 手首の捻挫
転倒時に手をついたり、スポーツなどで手首をひねった場合に起こりやすい手首の捻挫も、急性期であれば健康保険適用となります。
1.3 その他の捻挫
膝や肘、指などの捻挫も、急性の外傷によるものであれば健康保険適用となります。
慢性的な痛みや再発を繰り返す場合は、医師の診断のもと適切な治療を受けることが重要です。
2. 打撲
体に外部から強い力が加わることで、皮下組織や筋肉などが損傷した状態です。骨折や脱臼を伴わない打撲であれば、健康保険が適用されます。
2.1 骨折、脱臼を伴わない打撲
転倒や衝突などで体に強い衝撃を受けた場合に起こる打撲は、急性期であれば健康保険適用で治療を受けることができます。患部が腫れ上がったり、内出血が見られる場合も、適切な処置を受けることで早期回復が期待できます。
3. 挫傷
筋肉や靭帯などが急激に伸ばされたり、縮んだりすることで損傷した状態です。いわゆる「肉離れ」も挫傷に含まれます。急性の挫傷は健康保険適用です。
3.1 筋肉の挫傷
スポーツ中の急な動作や無理な姿勢によって起こる筋肉の挫傷は、受傷直後であれば健康保険適用となります。安静と適切な処置が早期回復の鍵となります。
3.2 靭帯の挫傷
関節を捻ったり、伸ばしたりすることで起こる靭帯の挫傷も、急性期であれば健康保険適用となります。重症の場合は手術が必要となる場合もありますので、医師の診断を受けることが重要です。
4. 肉離れ
筋肉が急激に収縮することで部分的に断裂した状態です。スポーツなどで起こりやすく、急性期であれば健康保険が適用されます。
5. 寝違え
睡眠中の不自然な姿勢や、急に首を動かしたことが原因で起こる首の痛みです。急性の寝違えは健康保険適用です。
6. ぎっくり腰
急に腰に激痛が走る症状で、正式には「急性腰痛症」と呼ばれます。急性のぎっくり腰は健康保険適用です。重いものを持ち上げた時や、くしゃみをした時など、些細な動作がきっかけで起こることもあります。慢性的な腰痛との鑑別が重要となるため、医療機関への受診も検討しましょう。
整骨院で健康保険が使えるのはどんな時? | まとめ
整骨院で健康保険が使えるのは、「原因が明確な急性の外傷性のケガ」に限られます。転倒による捻挫や打撲、スポーツ中の肉離れ、急なぎっくり腰などがその代表例です。
一方で、慢性的な肩こりや腰痛、病気が原因の痛みなどは、健康保険の適用外となります。
健康保険の利用にあたっては、整骨院ごとに判断が異なる場合もありますので、施術前にしっかりと確認することが大切です。正しい知識を持って、安心して施術を受けましょう。