整骨院を開業する際の経営形態は、今後の経営に大きな影響を与えます。
先日は個人事業主で整骨院を開業する方が有利かそれとも会社で開業する方が有利なのかということについて解説しました。
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本記事では個人事業と会社(法人)、どちらを選択するべきか、手続き、税金、将来性の3つの観点からポイントを整理しましょう。
整骨院の経営形態選択のポイント
1. 開業時の資金
開業時の資金は、経営形態選択における重要な要素です。
初期費用を抑えたい場合は、個人事業が有利です。
会社設立には、登録免許税や定款認証費用など、個人事業よりも多くの費用がかかります。
資金に余裕があり、将来的な事業拡大を視野に入れている場合は、会社設立を検討しても良いでしょう。ただ会社を設立する場合は、定款の作成など手続きが煩雑になり行政書士に払う費用も必要ですので、時間とお金が余計にかかってしまいます。
項目 | 個人事業 | 会社 |
---|---|---|
初期費用 | 低い | 高い |
手続きの複雑さ | 簡単 | 複雑 |
2. 事業規模と将来の展望
事業規模と将来の展望も、経営形態選択の際に考慮すべき点です。小規模で、事業拡大の予定がない場合は、個人事業で十分です。
一方、複数店舗展開や従業員の雇用など、事業拡大を計画している場合は、会社設立が適しています。
会社設立により、社会的信用力が高まり、資金調達もしやすくなるため、事業拡大をスムーズに進めることができます。
また、事業承継の観点からも、会社組織の方が有利です。
2.1 事業規模によるメリット・デメリット
項目 | 個人事業 | 会社 |
---|---|---|
小規模経営 | 適している | 費用対効果が低い場合も |
事業拡大 | 難しい | 適している |
事業承継 | 難しい | 容易 |
3. リスク許容度
個人事業は、事業主の個人資産と事業資産が区別されないため、事業で負債を抱えた場合、個人資産にも影響が及ぶ可能性があります。
一方、会社は有限責任制度を採用しているため、万が一事業が失敗した場合でも、出資額以上の責任を負うことはありません。そのため、リスク許容度が低い場合は、会社設立を選択する方が安全です。
ただし、会社設立には、設立費用やランニングコストがかかるため、その点を考慮する必要があります。
整骨院の経営形態選択のポイント | まとめ
結局のところ、個人事業主と会社で整骨院を運営するのはどちらが良いのでしょうか。
正直どちらにもメリット・デメリットが存在しますので、決断するのは容易なことではありません。
迷っている方にはまずは個人事業主から始めてみるのも良いかもしれません。
会社を作る最大のメリットの1つは事業の拡大がしやすいという点にあります。ただ人の思いというのは変化するのものです。個人事業主として小規模経営をしていこうと最初は考えていたとしても事業の調子が良く途中で2院3院と拡大してみたいという気持ちになるかもしれません。
リスクに関して言えば、どんな事業にもリスクは付き物ですし、リスクを背負わなければ個人であろうと会社であろうと独立をするのは難しいでしょう。
経営形態について考えている皆様は既にどこかの整骨院などで働いていて、これから独立を考えている人が多いと思うので、既に経営をしていく覚悟はあるのでしょうが、個人事業主と会社設立のメリット・デメリットを総合的に判断し、ご自身の状況に最適な経営形態を選択することが重要です。