人が生きる上で必要不可欠なものの1つに
食事
があります。
毎食、自分で料理をするという人もいるかもしれませんが、それはごく少数。
多くの人が頻繁に外食をしていることでしょう。
自分で料理をするのも楽しいけれど、人に作ってもらうのは楽だし、美味しい。
今回はそんな日々の幸福感を与えてくれる調理師について
調理師の業務内容や資格の取得方法、年収まで解説していきます。
調理に関わる仕事に興味がある。
飲食店で働きたい。
そう考えている人はぜひ最後までお付き合いください。
調理師免許は必ず必要ではない?調理師の免許取得のメリットは
調理師とはその名前のとおり、飲食店などで調理業務を行う仕事です。
名称独占資格といって調理師免許を取得していないと「調理師」を名乗ることはできません。
しかし、業務独占ではないので調理業務をする際に調理師を持っていないと調理業務ができないのかというとそういうわけではなく、調理師資格を持っていなくても飲食店で働くことはできます。
では、調理師の資格をわざわざ取得するメリットはあるのでしょうか?
メリット①食品衛生責任者の資格も同時に取得できる。
飲食店を経営する際、食品の衛生状態を管理する必要があります。
その際の責任者を置かなくてはいけないため、スタッフの中でだれか1人は食品衛生責任者を取得していなくてはいけません。
その資格を調理師免許があれば、講習を受けなくても取得できるのです。
メリット②信頼に繋がる
調理師の資格を持っていなくても飲食店で働くことができますが、調理師の資格を取得しているということは調理に関しての一定の知識と技術を持ったプロということです。
あなたなら調理師の資格を持っている飲食店と持っていない飲食店だったら、どちらの方が安心できますか?
多くの人は調理師免許を持っている方が安心感を持つのではないでしょうか。
そのため、調理師の資格を持っていればアピールに繋がるというわけです。
さらに調理師には専門調理師・調理技能士という上位資格が存在します。
これは調理師として一定以上の勤務実績が必要です。
調理師よりもさらに高い知識と技術を有していると証明された国家資格となりますので、専門調理師・調理技能士の資格まで取得できれば営業や就職活動で有利に働くでしょう。
メリット③ふぐ料理専門店の開業権
これは絶対ではありませんが、自治体によってはふぐ調理師の資格を取得するための条件として調理師免許を持っていることが含まれていることがあります。
もしも、将来的にふぐ料理専門店を開業したいと考えているならば調理師免許を持っているとよいでしょう。
調理師の実際の業務内容や勤務先
次に調理師の業務内容です。
調理師ですから、調理がメインになることは間違いありませんが、それだけではありません。
食材の仕入れ、新メニューの開発、衛生管理など様々な仕事があります。
これらの業務に対応するためには様々な知識が必要になってきます。
勤務先ですが調理師ですから、当然調理が関わる勤務先となります。
レストランやカフェはもちろんのこと、ホテルや旅館などの宿泊施設、起業の社員食堂、病院や福祉施設などがあります。
様々なパターンがある調理師の雇用形態
調理師の雇用形態は様々で、正社員の人もいれば契約社員、アルバイトなどがあります。
下積み時代はアルバイトとして雇用され、下積みが終わったら正社員として雇用されるなど職場によって様々です。
勤務時間は小さな個人経営の飲食店になると朝早くから食材の仕入れから始まり、開店の数時間前から食材の仕込みをして、開店してからは営業時間の終わりまで料理を作り続けます。
営業時間が終わった後は洗い物や掃除などの後片付けもありますので、経営者や責任者にもなると朝早くから夜遅くまで働き続けるということも珍しくありません。
調理師の仕事は拘束時間も長く重労働だがやりがいも大きい
拘束時間が長い上に立ちっぱなしであることも多く、大量の食材が入った段ボールや調理器具を運ぶことも多いため、体力が必要となります。
また、昔からの徒弟制度も根強く残っていることも多く、先輩からの指導が非常に厳しいこともあり、人間関係に悩む人も多いでしょう。
それでも、自分が作った料理を食べて「美味しかった!!」とお客様に喜んでもらえる瞬間はそれまでの苦労が吹っ飛ぶほどにやりがいを感じることができるでしょう。
調理師免許取得のための2つのルートとは
それでは、この調理師免許を取得するためにはどうしたらよいのでしょうか?
実は免許の取得方法には2つのルートがあります。
1つは2年以上の実務経験を積み、調理師試験に合格し、免許申請するルート。
もう1つは厚生労働大臣指定の調理師養成施設を卒業して、免許申請するルートです。
後者の場合、実務経験は必要なく、調理師試験も免除されるというメリットがあります。
調理師試験は年に1回、各都道府県で開催されます。
また、試験日が都道府県ごとに違うこともあるので、かけもちが可能です。
たとえば、どこかで受験したけど、不合格になってしまったから、他の場所で受験するなんてことも可能になります。
受験資格は学歴や職歴によって変わってきます。
まず学歴は中学卒業以上が条件になっていますので、義務教育を終えていれば問題ありません。
職歴は2年以上調理業務に従事していることが条件となります。
この際の2年以上の調理業務というのは1か月以上の長期休暇があった場合は従事期間として認められません。
また、複数の職場での従事期間を合算することはできますが、同時期に複数の職場で勤務していた場合の合算はできないので注意が必要です。
その他にもパートやアルバイトの場合は4日/週以上で、6時間/日以上の勤務が条件となります。ただし、各都道府県によって多少の条件のばらつきがあるので、受験しようと思っている自治体に確認してみましょう。
調理師試験の合格ラインは全6科目の合計点が60%以上です。しかも、注意しなくてはいけないので1科目でも平均点よりも著しく下回る科目がある場合は不合格になります。
調理師試験の合格率は約60%と言われています。
難易度としてはそれほど高いとはいえないでしょう。
調理師の気になる年収は?腕を磨けば収入大幅アップも
さて、晴れて試験に合格して働きだしたら、やはり気になるのは収入ですね。
「令和元年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると
調理師の平均年収は約342.5万円とされています。
日本国民の収入の中央値が437万円とされていますので、調理師の収入は低い水準となっています。
とはいえ、調理の実力をつけて高級レストランやホテルの料理長クラスになれば高収入を得ることもできますし、独立して自分の飲食店を繁盛店にすることができれば、さらなる収入アップも十分考えることができます。
料理が好きなら調理師免許を取得して飲食店で働こう
いかがでしたか?
調理師の仕事は1日を通して、やることが多く、重労働でありますが、賃金も低く、下積み期間も長くなることもあります。
それでも、辛い下積み時代を乗り越えれば収入も一気に上がることもあります。
やりがいも感じやすい職業だと思いますので、料理が好き、お客様とのコミュニケーションも苦にならないという方は調理師免許を取得して、飲食店で働くという選択肢を増やしてみてはいかがでしょうか?