利用者様の介助技術において、ベッドから車いすへの移乗であったり、車いすから椅子への移乗であったりと、利用者様を立ち上がらせて介助する技術は介護士にとってとても重要なことだと思います。
介護士の仕事は時間に追われていることも多く、どうしても力任せに乗り移りをやってしまうということもあるのではないでしょうか?そのため自分の身体に負担がかかりすぎて腰を痛めるということが往々にして見られると思います。
しかし我々の仕事は身体が資本であるからこそ、いかに自分の身体に負担をかけずに行うかを考えていかなければなりません。
今日はどうすればこちらの身体に負担がかからないように立ち上がりを促すことができるかを考えてみたいと思います。
利用者様の立ち上がりを無理なく促すための方法とは?
利用者様の立ち上がりを促す際に、あなたはどのようなことを考えて対応していますか?
介護士の立ち上がりをよく見てみると、利用者に身体を密着させて、腰に手を回して立ち上がりを促すという方法を取っている介護士は結構多いように思います。
確かに身体を密着させることで、利用者様がずり落ちてもこちらで身体を支えることができますので、確かに安全だとは思います。
しかしながら、利用者様によってはどの程度なら立てるのか、という残存能力というものが存在します。例えばベッドの高さが30㎝であれば、立つことはできないけれど、ベッドを45㎝まで上げることで見守りで立ち上がれるという患者様もおられるのです。
こうした残存能力を見極めるということもとても重要ですし、医療従事者と情報共有をしながら伝達する、聴取するということも介護士には重要な情報収集能力です。
自分で立ち上がりができて見守りでできるなら、こちらは抱える必要はありませんし、必要最低限の介助だけで乗り移りができるのですから、とても楽ですよね?もしあなたが今までの利用者様を抱えて体に負担がかかっていたのが、身体に負担がかからなくなったら腰の痛みがなくなると思いませんか?
実はこの方法は介助者だけでなく、利用者側にもメリットがあるのです。
今までは過度な介助をされていて自分でやりたくてもできなかったという方もおられますし、自分の残存能力を活かしながら乗り移りができますので、その行動自体がリハビリになります。
ぜひこうした内容を試してみてくださいね。