パターナリズムとは前回の記事で解説しました通り、サービス支援者が利用者様のためにと、利用者様の意思に関わらず支援者主体の考えで干渉することを表す概念です。
合わせて読む → サービス管理責任者は理解しておきたい「利用者様主体の支援」について
医療現場などの障害福祉業界で働いていると、日常的に干渉しているスタッフを多く見かけるのも事実です。
しかし利用者様のサービスを支援するにあたって、リーダーとなって指揮をとるべき役割のサービス管理責任者が、そのような考え方に陥っては利用者様に適切なサービスを提供することは不可能です。
今回はそのパターナリズムという考えに陥らないためのポイントを解説します。
パターナリズムに陥らない3つのポイント
・意思決定支援
利用者様に対して個別支援計画を作成しサービスを提供し始めたらそれで終わりではありません。
利用者様の課題の変化や目標の達成度、周囲環境の変化に伴って、その都度サービスが適切かどうかアセスメントを繰り返し行い検討しなければいけません。
またそれが利用者様の希望や意向に沿っているかどうか、利用者様からのフィードバックも必要になります。
障害によって言葉が交わせなくても利用者様それぞれに意思があります。まずは利用者様の意思を確認する機会を設け、利用者様自身が自分で選択できるように支援する必要があります。
・チームで考える
パターナリズムとは「利用者様はこうした方がいい」という個人の考えになります。
そのため個人差も大きく価値観によっても左右されます。
しかし障害福祉サービスを提供する上で、一人の価値観で利用者様のサービスを決定することはできません。多職種がそれぞれの専門性を持って一つのチームとして決定します。
一人の利用者様に多くの職種が関わり適切な支援の方向性を検討することが、パターナリズムに陥らないための対策にもなります。
・パターナリズムについての理解
そもそもパターナリズムという考え方を皆さんご存知でしたか?
支援者が良かれと思っても、利用者様が望まない場合があるという考えを、まずそれぞれが持っておくことが必要になりますよね。
そして、誰にでも起こりえる考え方のため、 今一度現在提供しているサービスを見直す際にも、この考え方を理解しておきましょう。
サービス管理責任者がパターナリズムに陥らないために | まとめ
障害福祉現場において、利用者様の思いと提供する支援がかけ離れてしまわないよう理解することが重要です。
自身が行ってきた支援を振り返り、利用者様の意思を第一に考えられるようパターナリズムという考えを理解しておきましょう。