近年、福祉分野においては、障がい者や支援が必要な個人に対して質の高いサービスを提供するため、個別のニーズや目標に基づいたアプローチが重視されています。
その中で、サービス提供の中心となるサービス管理責任者の役割は極めて重要です。
今回は、サービス管理責任者の仕事内容に焦点を当て、特に個別支援計画とモニタリングについて詳しくご紹介していきます。
個別支援計画の作成とは
個別支援計画は、障がい者や特別な支援が必要な個人に対して、その本人や保護者の意向や特性を踏まえ、サービス提供を計画する文書のことを指します。
この計画がなければ、福祉事業において適切なサービスを提供することはできません。
個別支援計画には利用者や保護者の意向や支援の方針、生活の質を向上させるための課題、具体的な短期・長期の目標、支援内容、支援期間、優先順位、達成度評価などが含まれます。
これを作成するプロセスには、フェイスシートの作成、アセスメントの実施、個別支援計画の原案作成、担当者会議、利用者・保護者への説明、同意の取得が含まれます。
モニタリングとは
モニタリングは、個別支援計画に基づくサービス提供の実施状況を把握し、アセスメントや利用者面接を通じて効果を評価するプロセスです。
モニタリング結果に基づき、必要に応じて個別支援計画を見直す必要があります。このプロセスの記録はモニタリング報告書と呼ばれます。
モニタリングの見直し頻度は、サービスの種類により異なり、例えば就労移行支援は3 カ月に1 回以上、共同生活援助や生活介護などは6カ月に1回以上の頻度で行われます。
サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が不在の場合、個別支援計画の作成やモニタリングが行えないため、不在時から減算が適用されます。
個別支援計画未作成減算とは、利用者の個別支援計画を未作成であったり、作成のプロセスが不適切だったりした場合に適用される減算のことを言います。
減算の割合は不在から2か月目までは基本報酬の70%(30% 減算)、3か月以上解消されない場合は基本報酬の50%(50% 減算)となります。
ただし、自治体によって減算の起算点が異なるため、確認が必要です。
個別支援計画の作成とモニタリング | まとめ
サービス管理責任者の業務において、個別支援計画の作成というものがいかに大事なのか分かって頂けたでしょうか。
作成していなかったりすると減算もありえるので、注意深くやっていく必要もあります。
サービス管理責任者は個別支援計画やモニタリングに結びついているかを理解し、質の高い福祉サービス提供を目指しています。