柔道整復師の業務は、人々の健康に直接関わるため、高い倫理観と法令遵守が求められます。
本記事では柔道整復師の業務を規定する法律と、柔道整復師が持つべき倫理について解説します。
これから柔道整復師を目指す方は是非参考にしてください。
柔道整復師に関する法律と倫理とは
1. 柔道整復師法
柔道整復師の業務は、柔道整復師法によって規定されています。
この法律は、柔道整復師の資格、業務範囲、義務などを定め、国民の健康の保持増進に寄与することを目的としています。
主な内容は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 柔道整復師の資格、業務範囲、義務などを定め、国民の健康の保持増進に寄与すること。 |
業務範囲 | 骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの損傷に対し、手術によらない整復、固定などの施術を行うこと。 |
資格取得 | 文部科学大臣が指定した学校または養成施設において3年以上柔道整復に関する専門の教育を受け、国家試験に合格すること。 |
義務 | 診断書の交付、施術録の保管、秘密保持など。 |
罰則 | 無資格施術、不正請求などに対する罰則規定。 |
2. 医療倫理と患者対応
柔道整復師は、医療従事者として高い倫理観を持ち、患者との信頼関係を築くことが重要です。
具体的には、以下の点に留意する必要があります。
2.1 インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントとは、患者が自身の症状や施術内容、リスクなどを十分に理解した上で、施術を受けるかどうかを自ら決定する権利のことです。柔道整復師は、患者に対して丁寧な説明を行い、理解を得る必要があります。
具体的には、施術内容、予想される効果、リスク、費用、施術期間などを説明し、患者の疑問に真摯に答えることが重要です。
2.2 秘密保持義務
柔道整復師は、業務上知り得た患者の個人情報や病状に関する情報を、正当な理由なく第三者に漏らしてはなりません。
これは秘密保持義務と呼ばれ、柔道整復師法でも規定されています。患者との信頼関係を維持し、安心して施術を受けてもらうためには、秘密保持を徹底することが不可欠です。
2.3 適切な患者対応
患者は身体的・精神的な苦痛を抱えている場合が多く、不安や緊張を感じていることがあります。柔道整復師は、共感力とコミュニケーション能力を活かし、患者に寄り添った対応を心がける必要があります。
患者の訴えに耳を傾け、丁寧に説明を行い、不安を取り除くよう努めることが重要です。
また、患者との良好なコミュニケーションは、適切な施術を行う上でも不可欠です。
これらの倫理規定は、日本柔道整復師会が発行している「日本柔道整復師会|倫理綱領」に詳しく記載されています。
柔道整復師に関する法律と倫理 | まとめ
柔道整復師は医師ではないので、医療行為はできません。しかし冒頭でもお話ししましたように、柔道整復師は人々の健康に直接関わる仕事ですし、患者様の身体に触れることもあります。
そういった理由から、柔道整復師の施術はそれだけ高い倫理観を求められます。
また柔道整復師は柔道整復師法に基づき業務をしなければなりません。
柔道整復師は責任感が強くや倫理観がしっかりした人にぴったりな仕事なのかもしれませんね。