整骨院を開業する際、個人事業と会社のどちらを選択するかは、将来のビジョンによって大きく左右されます。
事業拡大、事業承継、リスク管理など、様々な観点から最適な経営形態を考えてみましょう。
個人事業と会社どっちが有利?
1. 事業拡大を目指すなら
事業拡大を目指すなら、会社形態が有利です。
会社形態であれば、社会的信用力が高いため、金融機関からの融資を受けやすく、資金調達が容易になります。
また、従業員を雇用し、組織体制を構築することで、複数店舗展開や新たなサービス提供など、事業の規模を拡大しやすくなります。
対して個人事業の場合、資金調達や人材確保の面で限界があるため、事業拡大には制約が生じる可能性があります。
2. 事業承継を視野に入れるなら
事業承継を視野に入れる場合も、会社形態が優れています。
会社は、経営者と事業体が別であるため、経営者の交代がスムーズに行えます。後継者に株式を譲渡することで、事業を継続していくことが可能です。
一方、個人事業は事業主と事業体が一体となっているため、事業承継が複雑になる場合があります。
後継者への事業の引継ぎや、従業員の雇用維持などを考慮すると、会社形態が有利と言えるでしょう。
3. リスク管理の観点から
リスク管理の観点からは、会社形態を選ぶことで、事業主の個人資産へのリスクを軽減できます。
会社形態は有限責任であるため、万が一事業が失敗した場合でも、出資額の範囲内で責任が限定されます。
個人事業の場合は、事業主の個人資産がリスクに晒されるため、負債を抱える可能性があります。
安心して事業を継続していくためには、会社形態を選択する方がリスクヘッジの面で優れています。
項目 | 個人事業 | 会社 |
---|---|---|
事業拡大 | 資金調達や人材確保が難しい | 資金調達がしやすく、組織体制の構築が可能 |
事業承継 | 事業主と事業体が一体であるため承継が複雑 | 株式譲渡によりスムーズな承継が可能 |
リスク管理 | 事業主の個人資産に責任が及ぶ | 有限責任でリスクを限定できる |
上記を踏まえ、ご自身の将来のビジョンやリスク許容度に合わせて、最適な経営形態を選択することが重要です。
整骨院経営の将来性を考える | まとめ
整骨院を開業する際に誰しもが悩む、個人事業でスタートするのか、それとも会社としてスタートするのかについて考えてみました。
結論としては、自分自身のビジョンによって決めるべきものだと思います。
整骨院をどんどん大きくしていきたい、沢山従業員を雇って事業規模を大きくしたいという目標がある人は、間違いなく会社を設立して事業をする方が良いでしょう。
一方で細々でも長く整骨院を続けていきたいという人もいると思いますが、そういう方は多くの従業員を抱える必要もない個人事業でやるという選択もあるでしょう。
ただリスクが低いということではなく、個人で事業をする場合は事業で失敗した時には個人資産に責任が及ぶこともあるので注意が必要です。
どっちを選択するにせよ、開業前に専門家(税理士、弁護士など)にビジョンを説明し、具体的なアドバイスを受けることをおすすめします。