訪問介護事業所の倒産理由について考えてみた

高齢化社会に突入した現代社会において、地域で生活する高齢者が年々急増している現状があるにもかかわらず、訪問介護業界では事業所の倒産が相次いでいます。

2023年は前年同期の1.5倍に増加し、2000年以降過去最多の倒産件数を更新しています。そのため地域では訪問介護を求める声が増えているにも関わらず、訪問介護を提供できる場所がないといったミスマッチが起こっているのです。その背景には何が影響しているのでしょうか?

今日は訪問介護事業所の倒産の理由や、今後の展望などについて考えてみたいと思います。

 

訪問介護事業所の倒産で介護士の転職が難しい時代が来た

介護士は今やどこでもニーズが高い職種の一つとして認知されてきました。有効求人倍率は15.5倍と過去最高を記録しています。そのため再就職は引く手あまたであるといっても過言ではないでしょう。しかしながらこうしたデータだけ見ればどこでも働けるといった現状はあるものの、実際のところ人気の職場はほとんど埋まって自分の思うような働き肩ができずに職場を転々としている、もしくは他業種に転職しているという介護士が多いのが現状です。

 

特に訪問介護事業所においては地域で求める声が多いにもかかわらず、物価の高騰や燃料費の増加に伴い、事業所の運転資金が底をつくという問題を抱えているところは多く存在します。そして何よりヘルパーの負担が大きく様々な問題にも対処しなければいけないという過酷な労働環境であることや「きつい」「汚い」「危険」「暗い」「臭い」といった5Kというイメージも相まって、どうしても若手のスタッフが集まりにくいという現状を抱えています。

またヘルパーの4人に一人は65歳以上の高齢スタッフであるという現状からも、なかなか人材の獲得が難しいことが廃業に追い込まれる現状であることを政府はしっかり認識して対応すべきではないでしょうか。

 

こうした問題から訪問介護事業所の倒産が増加しており、今後もさらに倒産する事業所が増えることが予想されています。そのため有効求人倍率以上に転職がしにくい職種であるといっても過言ではありません。

働くだけであればどこでも働ける職業であるといっても過言ではありませんが、あなたが今後どうしたいのかをしっかり見据えて今後のキャリアプランを立てて働く必要がありますね。

 

 

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