整骨院を開業するには、様々な手続きと届出が必要です。
これらをスムーズに進めることで、開業準備期間を短縮し、開業後の経営に集中できます。
本記事では、柔道整復師が整骨院を開業するにあたって必要な手続きと届け出について解説します。
整骨院開業に必要な手続きと届出
1. 施術所開設届の提出
整骨院を開業する際は、保健所への施術所開設届の提出が必須です。これは、整骨院を開設する10日前までに行う必要があります。提出が遅れると、開業スケジュールに影響が出る可能性があるので注意が必要です。
届出には、以下の書類が必要です。
書類名 | 内容 |
---|---|
施術所開設届 | 所定の様式に必要事項を記入します。厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます。 |
柔道整復師免許証の写し | 原本も持参し、照合を受けます。 |
施術所の平面図 | 施術室、待合室、トイレなどの配置がわかる図面が必要です。 |
周辺の案内図 | 最寄り駅からの経路などがわかる地図が必要です。 |
賃貸契約書の写し(該当する場合) | 施術所を賃貸で借りる場合は、契約書の写しが必要です。 |
その他 | 管轄の保健所によっては、追加で書類を求められる場合があります。事前に確認しておきましょう。 |
1.1 開設届提出時の注意点
開設届の提出にあたっては、以下の点に注意しましょう。
- 書類は2部用意する:保健所提出用と、控えとして自身で保管する用の2部を用意しましょう。
- 保健所との事前相談:保健所によっては、事前の相談が必要な場合があります。開設届を提出する前に、管轄の保健所に問い合わせて確認しましょう。
- 開設届だけでは健康保険は取り扱えない:開設届を提出しただけでは、健康保険を取り扱うことはできません。健康保険を取り扱うためには、別途、受領委任契約の締結が必要です。
2. 受領委任契約の締結
健康保険を適用した施術を行うためには、受領委任契約の締結が必須です。
受領委任契約とは、患者が負担する治療費の一部を、保険者(健康保険組合など)が支払うことを認める契約です。
この契約を締結することで、患者は自己負担額のみで施術を受けることができます。受領委任契約は、地方厚生(支)局に申請します。
必要な書類や手続きは、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
2.1 地方厚生局への届出に必要な書類
- 施術所の申出書
- 同意書
- 確約書
- 施術管理者選任証明書(開設者と施術管理者が異なる場合)
- 施術所開設届の副本
- 柔道整復師免許証の原本とコピー
- 履歴書(不要な場合もある)
2.1.1 共済組合、防衛省、労働基準局への届出
健康保険組合以外の保険者(共済組合、防衛省、労働基準局など)と契約する場合には、それぞれの保険者への届出が必要です。
それぞれの必要書類や手続きは、各保険者に問い合わせて確認しましょう。
- 共済組合連盟への届出:国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合協議会への届出が必要です。
- 防衛省への届出:自衛隊員とその家族の保険者を対象とする場合に必要です。
- 労働基準局への届出:労災保険を取り扱う場合に必要です。
3. 個人事業の開業届出
個人事業主として整骨院を開業する場合には、税務署へ個人事業の開業届出を提出する必要があります。
これは、開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。
届出には、国税庁のウェブサイトからダウンロードできる「個人事業の開業・廃業届出書」を使用します。
また、開業届出と同時に、青色申告承認申請書を提出することで、税制上の優遇措置を受けることができます。
3.1 個人事業の開業届出に必要な書類
- 個人事業の開業・廃業届出書
- 青色申告承認申請書(青色申告をする場合)
これらの手続きと届出は、開業前にしっかりと準備しておくことが重要です。必要書類や提出期限などを確認し、余裕を持って手続きを進めましょう。
また、不明な点があれば、各機関に問い合わせるか、専門家(税理士、行政書士など)に相談することをおすすめします。
整骨院開業に必要な手続きと届出 | まとめ
柔道整復師の夢でもある開業ですが、今回ご説明したように開業にはたくさんの手続きと届け出が必要です。
多くの書類を行政などに提出しなければなりませんし、少々面倒だという人には行政書士などの専門家に任せるのも1つの手段です。