柔道整復師と理学療法士の5つの違い

柔道整復師と理学療法士はどちらも身体の不調を扱う国家資格ですが、その専門性や業務範囲は大きく異なります。

以前の記事では、柔道整復師と理学療法士の仕事内容の違いについて解説しましたが、今回はその他の5つのポイントに絞って両者の違いを解説します。

柔道整復師と理学療法士の5つの違い

1. 資格取得方法の違い

柔道整復師と理学療法士では、資格取得のためのルートが異なります。柔道整復師は、厚生労働大臣が指定する柔道整復師養成施設(専門学校など)で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。

一方、理学療法士は、4年制大学もしくは3年制の短期大学で学び、国家試験に合格する必要があります。

2. 業務範囲の違い

柔道整復師は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの急性外傷を対象に、手術を伴わない非観血的な治療を行います。具体的には、整復、固定、後療などが挙げられます。

一方、理学療法士は、怪我や病気、障害などによって運動機能が低下した人に対して、運動療法や物理療法を用いて機能回復を図ります。リハビリテーションの専門家と言えるでしょう。

柔道整復師 理学療法士
主な業務 骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの急性外傷への対応 運動機能の低下に対するリハビリテーション
治療方法 整復、固定、後療など(非観血的療法) 運動療法、物理療法など

3. 対象となる症状の違い

柔道整復師が主に扱うのは、急性の外傷です。スポーツ外傷や交通事故による怪我などが代表例です。一方、理学療法士は、急性期から慢性期まで幅広い段階の患者を対象とします。

脳卒中、神経疾患、整形外科疾患、呼吸器疾患など、様々な疾患に伴う運動機能障害のリハビリテーションを行います。

柔道整復師は外傷が対象である一方、理学療法士は外傷だけでなく病気や障害も対象とする点が大きな違いです。

4. 働く場所の違い

柔道整復師は、接骨院や整骨院などで働くことが多いです。その他、整形外科クリニックや病院、スポーツ施設などで勤務するケースもあります。

理学療法士は、病院(総合病院、リハビリテーション病院、大学病院など)、介護老人保健施設、訪問リハビリテーション事業所などで働くことが多いです。

近年では、スポーツジムやフィットネスクラブなどで働く理学療法士も増えています。

5. 柔道整復師と理学療法士が連携するケース

柔道整復師と理学療法士が連携して患者の治療にあたるケースも少なくありません。

例えば、骨折や脱臼などの急性外傷に対して、柔道整復師が患部の整復や固定を行い、その後、理学療法士がリハビリテーションを担当することで、よりスムーズな機能回復を促すことができます。

それぞれの専門性を活かすことで、患者にとってより良い医療を提供できるのです。

柔道整復師と理学療法士の5つの違い | まとめ

今回は柔道整復師と理学療法士の5つの違いについて解説しました。

似ている職業と思っている方も多いかと思いますが、資格取得方法、業務範囲など2つの職業には大きな違いあります。

どちらが良いという話ではありませんが、自分の性格ややりたいことなどをよく考えた上で職業選択をする方がいいのではないでしょうか。

 

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