先日はヘルニアの種類について解説しました。
合わせて読む → ヘルニアの種類
ではどうしてヘルニアになるのでしょうか?
例えば椎間板ヘルニアは、椎間板への負担の蓄積によって引き起こされます。
本記事ではヘルニアになる原因とそのメカニズムについて説明します。
ヘルニアの原因とメカニズム
1. 加齢による変化
加齢に伴い、椎間板は水分を失い弾力性が低下します。これにより、椎間板のクッション機能が弱まり、外部からの衝撃を吸収しにくくなります。
結果として、線維輪に亀裂が生じやすくなり、髄核が突出するリスクが高まります。また、骨棘形成などの加齢性変化もヘルニア発症の一因となることがあります。
2. 姿勢や動作の悪影響
日常生活における姿勢や動作もヘルニアの原因となります。猫背や前かがみの姿勢は、椎間板に大きな負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。
また、重いものを持ち上げる、急に体をひねるといった動作も、椎間板に急激な負荷を与え、損傷させる可能性があります。
2.1 日常生活におけるリスク要因
- デスクワーク:長時間同じ姿勢での作業は、椎間板への負担を増加させます。特に、猫背の姿勢は頚椎ヘルニアのリスクを高めます。
- 長時間の運転:運転時の振動や姿勢も、腰椎ヘルニアのリスクを高める要因となります。
- 重労働:重量物を持ち上げる、運ぶといった作業は、腰椎への負担が大きく、ヘルニアを引き起こしやすくなります。中腰姿勢での作業も同様にリスクを高めます。農業や建設業など、特定の職業に従事する方は特に注意が必要です。
- スポーツ:激しい運動や間違ったフォームでのトレーニングは、椎間板を損傷させる可能性があります。特に、コンタクトスポーツや重量挙げなどはヘルニアのリスクを高めます。適切なウォーミングアップとクールダウン、正しいフォームでのトレーニングを心がけることが重要です。
2.2 遺伝的要因とその他の要因
遺伝的な要因もヘルニアの発症に影響を与える可能性があると考えられています。
家族にヘルニア患者がいる場合、自身も発症するリスクが高まる可能性があります。
また、喫煙は椎間板への血流を阻害し、変性を促進するため、ヘルニアのリスクを高める要因となります。肥満も椎間板への負担を増大させるため、ヘルニアの発症リスクを高めます。
適正体重を維持するためのバランスの取れた食事と適度な運動が重要です。
要因 | 詳細 |
---|---|
加齢 | 椎間板の水分減少、弾力性低下 |
姿勢 | 猫背、前かがみなど |
動作 | 重いものを持つ、急な動作 |
遺伝 | 家族歴 |
喫煙 | 椎間板の変性促進 |
肥満 | 椎間板への負担増加 |
これらの要因が複合的に作用することで、椎間板ヘルニアが発症すると考えられています。
自身の生活習慣を見直し、リスク要因を減らす努力をすることが重要です。
ヘルニアの原因とメカニズム | まとめ
ヘルニアは、頚椎、胸椎、腰椎のいずれにも発生する可能性があり、それぞれの部位によって症状や特徴が異なります。
共通する症状としては、痛みやしびれなどが挙げられます。
今回解説しましたように、原因としては加齢による椎間板の変性や、姿勢の悪さ、無理な動作などが考えられます。