腱鞘炎とは、腱とそれを包む腱鞘の間で炎症が起こることで、痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状が現れる疾患です。
腱は筋肉と骨をつなぐ線維状の組織で、腱鞘は腱を包み込み、滑りを良くする役割を持つトンネルのような構造です。
腱鞘炎は、手首、指、肘、足首など、身体の様々な部位で発生する可能性があります。
特に、手首や指に起こる腱鞘炎は、日常生活で頻繁に使用する部位であるため、大きな支障をきたすことがあります。
本記事では腱鞘炎について詳しく解説します。
腱鞘炎の原因とは？
1. 腱鞘炎の症状
腱鞘炎の症状は、炎症の程度や発生部位によって異なりますが、一般的には以下のような症状が現れます。
1.1 腱鞘炎の初期症状
初期症状では、患部に軽い痛みや違和感を感じることがあります。特に、朝起きた時や長時間同じ動作をした後に症状が現れやすいです。また、患部を動かすと痛みが増強することがありますが、安静にしていれば痛みは治まることが多いとされています。
1.2 腱鞘炎の中期症状
炎症が進行すると、安静時にも痛みを感じるようになります。また、患部の腫れや熱感、動かした時の摩擦音なども現れることがあります。さらに、指の曲げ伸ばしが困難になるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
1.3 腱鞘炎の末期症状
末期症状になると、激しい痛みや腫れ、運動制限が顕著になります。指が動かせなくなる、ばね指と呼ばれる症状が現れることもあります。ばね指とは、指を曲げた状態から伸ばそうとすると、ばねのように急に伸びる症状のことです。 このような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
2. 腱鞘炎の原因
腱鞘炎の原因は様々ですが、主な原因は以下の通りです。
2.1 使いすぎによる腱鞘炎
同じ動作の繰り返しや過度な使用によって、腱と腱鞘が摩擦を起こし、炎症を引き起こします。パソコン作業やスマートフォン操作、スポーツ、楽器演奏など、特定の動作を長時間続けることで発症しやすくなります。特に、手首や指の腱鞘炎は、これらの動作が原因となることが多いです。
2.2 ホルモンバランスの変化による腱鞘炎
妊娠中や産後の女性は、ホルモンバランスの変化により腱鞘が腫れやすく、腱鞘炎になりやすいと言われています。特に、妊娠後期や産後1ヶ月頃までは注意が必要です。
2.3 姿勢の悪さによる腱鞘炎
猫背や前かがみの姿勢は、手首や指に負担をかけ、腱鞘炎を引き起こす原因となります。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめな休憩やストレッチを行うことが重要です。
2.4 その他腱鞘炎の原因
その他にも、関節リウマチや糖尿病などの基礎疾患、外傷、感染症などが腱鞘炎の原因となることがあります。
また、加齢に伴い腱や腱鞘が老化し、炎症を起こしやすくなることもあります。
腱鞘炎の原因 | まとめ
腱鞘炎は、手首や指などの腱鞘に炎症が起こることで痛みや腫れが生じる症状です。
初期症状では軽い痛みや違和感を感じる程度ですが、悪化すると日常生活に支障をきたすこともあります。
腱鞘炎の原因は、手首や指の使いすぎ、ホルモンバランスの変化、姿勢の悪さなど様々です。
