昨日、創業計画書の具体的な書き方と例文をご紹介しました。
合わせて読む → 創業計画書の具体的な書き方と例文集
創業計画書は可能な限り多くの情報を入れ、金融機関の方を始めサポートして頂く方に理解をしてもらうために作成するものです。
今回は前回の記事に引き続き、創業計画書に入れるべき情報について解説します。
創業計画書の具体的な書き方と例文集
1. 競合分析:市場で勝ち抜くために
競合となる他の整骨院の状況を分析し、自院の強みと弱みを明確にします。
競合との差別化を図り、市場で優位に立つための戦略を立案しましょう。
1.1 競合調査に基づいた戦略の立て方
競合となる整骨院の立地、サービス内容、料金体系、集客方法などを調査し、自院との比較分析を行いましょう。
競合の強みを分析することで、自院の改善点を見つけることができます。また、競合が提供していないサービスや、自院独自の強みを活かした差別化戦略を立案することで、市場での競争力を高めることができます。
SWOT分析などを用いることで、より体系的な分析が可能です。
1.2 競合分析 例文
項目 | 自院 | 競合A | 競合B |
---|---|---|---|
立地 | 駅近 | 駅から遠い | 駅近 |
サービス | スポーツ外傷特化 | 一般的な施術 | 美容整体 |
料金 | 平均 | 低価格 | 高価格 |
2. 取引先・取引関係:円滑な事業運営のために
医療機器メーカーや消耗品サプライヤーなど、円滑な事業運営に必要な取引先との関係構築について記述します。
安定的な供給体制の確保は、事業の継続性を高める上で重要です。
2.1 取引先との良好な関係構築のポイント
信頼できる取引先を選定し、良好な関係を築くことは、安定的な事業運営に不可欠です。複数の取引先を確保することで、リスク分散にも繋がります。
価格だけでなく、品質や納期、アフターサービスなども考慮して取引先を選びましょう。
また、定期的な連絡や訪問を通じて、良好なコミュニケーションを図ることで、信頼関係を深めることができます。
2.2 取引先・取引関係 例文
- 医療機器:株式会社A
- 消耗品:株式会社B
3. 従業員:チーム体制を構築
従業員の採用計画や教育方針、チーム体制について記述します。
優秀な人材の確保と育成は、事業の成長に欠かせません。
3.1 最適な人員配置の考え方
事業規模やサービス内容に合わせて、必要な人員数やスキルを明確にしましょう。採用計画だけでなく、従業員の教育体制やキャリアパスについても計画することで、優秀な人材の定着率を高めることができます。
チームワークを重視した組織作りは、従業員のモチベーション向上にも繋がります。 労働基準法を遵守した雇用契約を結び、適切な労働環境を提供することが重要です。
3.2 従業員 例文
開業当初は院長1名で運営。今後、事業拡大に合わせて柔道整復師、受付スタッフを順次採用予定。
4. 借り入れ状況:資金調達の透明性を確保
借入金の有無や返済計画について、正確な情報を記載します。
透明性の高い情報開示は、金融機関からの信頼獲得に繋がります。
4.1 正確な情報開示の重要性
金融機関からの融資を受ける際には、正確な情報開示が求められます。借入金の有無や返済計画だけでなく、他の金融機関からの借入状況についても正確に申告しましょう。
虚偽の申告は、融資の拒否や契約解除に繋がる可能性があります。また、事業計画書に記載した内容と実際の経営状況に大きな乖離が生じた場合は、速やかに金融機関に報告することが重要です。
4.2 借り入れ状況 例文
日本政策金融公庫よりXXX万円の融資を受ける予定。
5. 必要な資金・調達方法:資金計画を立てよう
開業に必要な資金とその調達方法について具体的に示します。
現実的な資金計画は、事業の安定性を確保するために不可欠です。
5.1 資金調達方法の選択肢
自己資金、金融機関からの融資、助成金・補助金など、様々な資金調達方法があります。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、最適な方法を選択しましょう。
また、複数の資金調達方法を組み合わせることも可能です。資金調達計画は、事業計画全体を踏まえて綿密に立てる必要があります。
中小企業庁のホームページなどで、資金調達に関する情報を収集できます。
5.2 必要な資金・調達方法 例文
項目 | 金額 |
---|---|
内装工事費 | XXX万円 |
医療機器購入費 | XXX万円 |
運転資金 | XXX万円 |
合計 | XXX万円 |
調達方法:自己資金XXX万円、日本政策金融公庫からの融資XXX万円
6. 事業の見通し:未来への展望
開業後の売上予測や事業展開計画など、将来の展望を具体的に示します。
実現可能な計画を策定することで、事業の成功確率を高めます。
6.1 実現可能な事業計画の策定
売上予測は、市場規模や競合状況、ターゲット層などを考慮して、現実的な数値を設定しましょう。
過大な予測は、資金繰りを悪化させる可能性があります。また、具体的なマーケティング戦略や事業展開計画を立てることで、目標達成の可能性を高めることができます。
PDCAサイクルを回し、計画の見直しと改善を継続的に行うことが重要です。
6.2 事業の見通し 例文
開業後3年間の売上高は、XXX万円、XXX万円、XXX万円を目標とする。
地域ニーズに合わせた新サービスの導入や、近隣医療機関との連携強化を通じて、更なる事業拡大を目指す。
創業計画書の具体的な書き方と例文集 | まとめ
2日間に渡り創業計画書について解説しました。
創業計画書は出来るだけ多く情報を正確に記す必要があります。金融機関はその計画書を見て、どのくらいの精度でビジネスを展開するのか、本当に返済できるのかなどを判断します。
特に、競合分析や売上予測は、現実的な数値に基づいて行うことが重要です。
綿密な市場調査を行い、地域特性や競合店の状況を把握することで、より精度の高い計画を立てることができます。
また、面談では、計画書の内容を簡潔明瞭に説明し、熱意を伝えることが大切です。