個人事業主と法人の税金の違いを比較

整骨院経営において、個人事業主として事業を行うか、法人化するかで税金の計算方法や負担額が大きく異なります。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身に最適な方法を選択することが重要です。

本記事では、個人事業主と法人の税金の違いについて解説します。

個人事業主と法人の税金の違いを比較

1. 所得税と法人税

個人事業主は所得税、法人は法人税を納めます。これらの税金は、計算方法や税率が異なります。

1.1 税率の違い

所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなります。一方、法人税は一定の税率が適用されます。

以下の表に、所得税と法人税の税率の違いを示します。

所得区分 所得税率 法人税率
〜195万円 5% 約20%〜30%(所得金額によらず)
195万円超〜330万円 10%
330万円超〜695万円 20%
695万円超〜900万円 23%
900万円超〜1,800万円 33%
1,800万円超 45%

参考:国税庁|No.2260 所得税の税率

1.2 所得計算の違い

所得税は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算されます。必要経費には、家賃、水道光熱費、人件費、消耗品費などが含まれます。

一方、法人税は、益金から損金と法人税額を差し引いて計算されます。損金には、給与、減価償却費、広告宣伝費などが含まれます。

個人事業主の場合、事業所得の一部を必要経費として計上できるため、所得税の負担を軽減できます。

法人の場合、役員報酬を経費として計上することで、法人税の負担を軽減できます。

2. 社会保険料の負担

社会保険料の負担も、個人事業主と法人で異なります。

2.1 個人事業主の場合

個人事業主は、国民健康保険と国民年金を自己負担します。 従業員を雇用している場合は、健康保険と厚生年金の事業主負担分を負担する必要があります。

従業員数が少ない場合は、社会保険料の負担は比較的軽くなります。

2.2 法人の場合

法人は、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に加入する義務があります。 これらの社会保険料は、事業主と従業員が折半して負担します。

従業員を雇用している場合は、社会保険料の負担が大きくなります。

ただし、役員報酬を適切に設定することで、社会保険料の負担を調整することができます。

3. 所得分散の可否

3.1 個人事業主の場合

個人事業主の場合、所得分散は青色申告特別控除における家族への給与や、配偶者控除、扶養控除などに限られます。

3.2 法人の場合

法人の場合、役員報酬や配当などを通じて所得を分散させることができます。

これにより、個人の所得税負担を軽減することができます。

4. 決算月の設定

4.1 個人事業主の場合

個人事業主の決算月は、12月で固定されています。

4.2 法人の場合

法人は、自由に決算月を設定することができます。事業の特性に合わせて決算月を設定することで、税務上のメリットを得ることができます。

また、決算月を変更することも可能です。

個人事業主と法人の税金の違いを比較 | まとめ

整骨院を開業する時に誰でも悩むポイントの個人事業主として開業するべきか法人を作ってやるべきかということですが、決める1つの要因として税金は非常に大きな要素となるでしょう。

どちらともにメリットデメリットがあるので、開業する際には売り上げなどのシミュレーションを重ね最終的にどちらが自分にとって最適なのかを考える必要がありそうです。

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